橋本ドンのマンション管理での嘘のようなホントの話?!(第三十六歩)

■”隣人間とのトラブルで、多いのは?!”

マンション管理士の橋本と申します。
今年の冬は、暖冬なのか?凍えるような寒い日もあれば、季節外れのポカポカした陽気もあり、寒暖差もありますので、体調管理が非常に難しいですね。
その為なのか、ここ最近、身近な方から、コロナ感染の話も聞くようになり、取引先では、その影響も出ています。
また、そんな中、ここ最近は花粉も飛んでいるとの事で、花粉症の方はその対応もしないといけない?!
幸い、私は京都市街の生まれ、山近くで育ったこともあり、おかげさまで花粉に関しては強いようであまり影響はありませんが、花粉症の方はおそらく、大変な思いをされていることでしょう。

そして、“大変な思い”をされている中で、本日の本題をお話させて頂きます。

“大変な思い“つながりでソフト系の問題、
そう、本日のお話は 「隣人間のトラブル」 の話をしたいと思います。

なお、私は、日頃の仕事において、マンション管理においても携わっておりますが、普段は、賃貸物件(マンション、アパート、ワンオーナー様が所有され賃貸で貸されている)の管理をメインに仕事をしています。

また、マンションの管理運営と賃貸物件の管理運営と、同じ管理の仕事ですが、異なる事もあれば、同じような業務もあります。
そういった意味では、これらの隣人間のトラブルは、どちらの管理でも共通の内容です。

そして、マンションにおいて、隣人間、そう、上下左右等のお部屋になりますが、そのご近所間でトラブルになる事が多々あります。

そうトラブルは、ある事柄が起因して、当事者間、周りとの間で、感情論になり、実質的な行動に移り、大きなトラブルになる流れです。
そのトラブルの行きつく先は、個別での誹謗中傷もありますが、最悪の場合は傷害事件や殺人事件などにも発展します。
実際、私も、傷害事件に発展した案件を対応しましたが、最後は、感情論で、加害者が “あいつが悪いからやった?!” みたいな話でした。

ちなみに、それらのトラブルまでに発展するキッカケ、起因する事柄があります

その内容は例えば、

・騒音問題(生活音、話し声等)
・迷惑行為をする(ベランダにゴミを置いて、異臭や虫を発生させる等)
・共用部での身勝手な行動(私物を置く、階段で食事をする??等)
・日頃からの言動、“注意をされた(うるさい等)“
・漏水事故(加害者、被害者)
等々があります。

その中で一番多いのが、“騒音問題”です。
(他の話は、また別の機会でお話します。)

そう、共同住宅において、この騒音問題は、必ずと言っていいほど、このトラブルはあります。(なお、マンションは構造上しっかりしているので、アパート等の木造住宅に比べて、騒音のトラブルは少ないと思いますが、一定数あります。)

ちなみにこの騒音の原因も、千差万別様々で一般的には、
・人の話し声、騒いでいる
・テレビ、音楽の音がうるさい
・ゲームでの盛り上がり、携帯電話(スピーカーでの会話も含む)の話し声
・足音、扉の開け閉め
・運動している、体感ゲームをしている
(その他共用部においても設備不良、配管等での異音などもあります)
等があり、

なお、騒音トラブルの改善において、現行騒音があるタイミングで、注意啓蒙の話をするのがベストですが、起こっている場所や時間が、“部屋間で起こっている”、“時間帯が深夜、早朝の時間帯”での話がほとんどの為、対応が事後対応になる事がほとんどで、なかなか解決が難しかったり、改善に時間が掛かったりします。
そのため、その間、被害を受けている人はストレスを感じ、フラストレーションが溜まっていきます。

また、この騒音で、更にややこしくしているのが、被害者の感覚です。

これまでは、
①“加害者➡被害者”の一般的なパターン(加害者の騒音で、被害者が迷惑を受けるパターン)ですが、

ここ最近、別のパターンで、
②“被害者?➡加害者?“ のパターンがあります。
これは、被害者?の方が、少し細かな方、デリケートな方で、周の部屋でおこっている通常の音、日常生活の音でも、 ”騒音“ という形で認識され、周りの人を加害者扱いされ、責められるケースがあります。

そう、これらの騒音問題は、お互いがお互い、
「これぐらいの音(行動)は多少許されるだろう?!」
「この時間帯なら少し音を出しても大丈夫だろう」等

「この音(この行動)許されない!!」
「この時間帯するなんて許せない」等

の感覚の相違から起こります。
また、②のパターンは、本人の中での勝手な対立行動になるケースが多いです。

といった、お互いがお互いの認識の違いから、
「おかしい?!」「常識知らず?!」「神経が細かすぎる」「変な方ではないか?!」といった気持ちになり、

最初は、管理会社への改善依頼から、なかなか解決できないと、
そこからのフラストレーションから強い要望になり、そして、次に、ご自身での個別の注意文や夜間に訪ねて直接行動といった流れで、
更に“お互いがあの人は許せない?!”という感情論になり、エスカレートして、ベランダに物を投げるなどの嫌がらせをしたり、玄関扉を叩いたり、罵声を浴びせられたり、最終的には、傷害等の事件にまで行きつくといったパターンです。

特に、最近は、仕事もフレックスであったり、会社員とサービス業であったりしますと仕事の時間等、生活時間が大きく異なりますので、こういったトラブルが起こりやすい環境があります。

ついては、この騒音の話は、共用部管理会社もそうですし、管理組合の立場としては、あくまでも管理をする内容は、共用部分で管理運営での対応になるため、
共用設備でしたら早々の対応が必要になりますが、ことお部屋内の、隣人間のトラブルの場合、正直対応が難しいです、また隣人間の話なので当事者間で話し合って解決してください、というスタンスになります。
ただ、管理組合も共用部を含めた、安心した住環境の維持という意味では、迷惑行為に関しては、是正等の対応はする必要がありますが、それが、騒音自体がどこまでの内容なのかによってもトラブルにどこまで関わるか?対応が異なります。

また、当事者の立場としては、管理組合から“当事者間での解決してください!“と言われても、当事者同士での、直接でのやり取りはご近所付き合いもあり、あまり関係性を悪くしたくない事、そして、特に最近突発的に色々な事件が起こっている事から、直接的に関わりたくないという本音もあります。
(賃貸ですと退去、引越しすればいいのですが、マンション所有者でしたらそういったわけにはいきません。)
そのため、被害者も、加害者も、警察や管理組合(管理会社)に協力を求めますが、
警察も、実際にトラブルや事件が起こらない具体的な対応は難しく、
また、管理組合と被害者等との両者の間でも、円滑な調整が出来ず、現況はなかなか解決されず、たびたび継続的な問題になる事があります。

といったように、騒音問題は、人それぞれの感覚的な事、感じ方の違いによって起こりますので、
解決としては、第三者が、仲裁役として間に入り、両者の言い分を確認し、その両者の妥協点を見つける、また、共同住宅としてお互いがお互いに対して配慮するといった姿勢を、両者に気がついていただく、理解していただくことが望ましいです。
私も、現場で対尾する際は両者の話をしっかり聞き、客観的に、話をされている内容に問題がある場合は、本人にも是正して頂くようにお話し、相手側に問題がある場合には、その旨をお伝えして是正して頂くように話します。そして妥協点を見出し、両者に相互の理解を求めます。
しかしながら、実際は、なかなか両者において、解決にむけたところまで理解が難しく、解決に至るまでに時間もかかりますし、そこに行くまでに、お互いの妄想、感情論が先に大きくなってしまい、解決に至らない事が多々あり、ホント解決が厄介で難しいです。
これらの事は、実際に対応する管理に人間、また当事者でないと、なかなかご理解しづらい話かもしれませんが、けっこう、管理の仕事をしていますと、この騒音問題で壁にぶち当たり、悩むケースはよくあります。

という事で、長くなりましたが、
マンションの管理運営上の話で、なかなか改善が難しい、隣人トラブルの“騒音問題”について、現場での対応も含めて書かせて頂きました。

それでは、また!

(マンション管理士 橋本 和聡)