マンション関係裁判例集(第二十九歩)

区分所有者と賃貸借訴訟➁/////////////////////

15.■賃借人の自殺による貸主からの損害賠償訴訟 東京地判  平26年12月11日
概要
①当該建物で自殺したため、契約解除後の入居者募集に支障が生じているとして、賃貸人が1年分の賃料と2年分の賃料減額分(50%)の損害賠償を、また転貸人が3年分の利ザヤ相当額をそれぞれ転借人に請求した
②転借人の善管注意義務違反を認め、賃貸人及び転貸人の請求を一部認容した

14.■ネット販売者による賃貸人等への瑕疵担保責任 東京地判 平27年9月1日
概要
①賃貸人、仲介業者等から事務所を借用してインターネットストアを行っていた原告が、隠れたる瑕疵(事務所の住所が振込め詐欺の送金先として警察庁等のHPに公開されている)により、ネット販売額が著しく減少し、転居を余儀なくされたとして損害賠償を請求した
②貸主及び仲介業者の瑕疵担保責任、不法行為責任等が否定された

13.■漏水事故で倉庫として使用し明け渡し訴訟 東京地判 平27年8月20日
概要
①漏水事故により住居として使用不可能となったため倉庫として使用したことから原告(賃貸人で不動産会社)が賃料の減額交渉を承諾したとの被告賃借人が主張
②これを認めず、建物の明渡しと一部相殺後の賃料相当損害金の支払いを命じた

12.■賃借人の漏水調査非協力による賃貸借契約解除 東京地判 平26年10月20日
概要
①マンション居室の借主が漏水調査・修繕(保存行為)に協力しないため信頼関係が破壊されたとして、貸主が居室の明渡しを求めるとともに、
②保存行為協力義務の不履行に基づく損害賠償金の支払を求めた事案
③請求がほぼ認められた

11.■無断転貸における排水管不具合の転貸人の義務 東京高判 平27年5月27日
概要
①排水管の不具合等に関し無断転した賃借人の義務違反として賠償訴訟
②建物の(ビル)無断転貸の場合について、転貸人は賃借人に対し、共用部分を適切に維持管理し使用させる義務を負うと690万円超の賠償を命じた
③(無断転貸により転貸人が十分に義務履行できないリスクは、無断転貸を行っている転貸人が負うべきものとした

10.■賃貸人による特定沿道建築物の明渡し訴訟 東京地判 平26年12月19日
概要
①賃貸人が賃借人に対し、特定緊急輸送道路に接する賃貸建物は耐震性を有せず、補強工事による耐震化も困難な状態である等として、特定沿道建築物であることを考慮した立退料支払いを条件に、特定沿道建築物の明渡しを求めた
②請求が認容された

9.■孫の医院開業のため建物明渡請求事件 東京地判 平27年1月15日
概要
①原告所有のマンションに住む孫娘夫妻が歯科医院を開業するために、マンション内の建物と駐車場を明け渡すよう請求
②正当理由がないとして棄却された

8.■賃借人の子供の迷惑行為に建物明渡等請求事件 東京地判 平27年2月24日
概要
①賃貸マンションの賃借人らの6歳の子がマンション内で迷惑行為をしたと損害賠償請求と建物明け渡し請求訴訟
②両親の監督義務者としての責任を肯定した(損害賠償請求を一部認容したが、明渡請求等は棄却)

7.■マンションのサブリース契約終了と原状回復訴訟 東京地判 平28年3月28日
概要
①23戸のマンションを不動産会社(被告)に賃貸(サブリース)していた所有者(原告)が、賃貸借契約の終了に伴う原状回復費用を求めた
②一部を認容した

6.■マンション貸し出しと原状回復費用 東京地判 平28年3月14日
概要
①Y会社に、定期建物賃貸借契約に基づき居室を賃貸した原告Xが、Y会社はやむを得ない事由がないにもかかわらず一方的に居室を明渡し、原状回復義務を履行しないとして、賃貸期間満了までの賃料相当額の損害金を請求した
②賃貸借契約は合意解約により終了しているとして、原状回復費用(約114万円)から敷金(52万円)を控除した約62万円の支払いのみ認容した

5.■中型犬無断飼育借主の賃貸マンション原状回復費用訴訟 東京地判 平27年1月29日
概要
①契約に反して無断で中型犬を飼育していた借主の賃貸マンションの原状回復費用を貸主が請求した
②フローリングについては損傷が著しいとして、経過年数を考慮した全面貼替費用約40万円が認められた

4.■マンション賃貸契約終了に基づく原状回復訴訟 東京地判 平27年7月3日
概要
①賃貸人(原告で亡Aの長男が代表)が賃借人(医療法人社団の被告で、亡Aの二男が代表)に対し、
1)区分所有建物の賃貸借契約終了に基づく原状回復費用と
2)同建物敷地で土地賃貸借契約の範囲外の場所にコンテナを設置し、その設置部分を被告が不法占有している損害賠償等を請求した
②原告の請求を全て棄却した

3.■賃貸マンションのペット飼育訴訟 東京地判 平27年4月15日
概要
①家主が、猫飼育2匹までとの条件を付して賃料月額10万円で住宅を貸していたところ、借主が条件に違反して6~7匹の猫を飼育し、その結果、悪臭等により近隣住民から通報を受けた地元警察署の指導を受ける等したことから、家主が賃貸契約を途中解約し、建物の明渡し及び未払賃料の支払等を求めた
②滞納している約10か月分の家賃約100万円の支払いと建物の明渡しを命じた

2.■転借人の保証金返還訴訟 東京地判 平28年3月10日
概要
①XがAから賃借している店舗(ビル1Fの区分所有建物)を Yに転貸していたところ、転貸人Yが、AがXの無断転貸を理由にXとの賃貸借契約を解除した結果、XとYの賃貸借契約も終了したとして、転貸人Xに保証金等の支払いを求めた(10628号)、
②一方、転貸人Xが、転借人Yの賃料不払いを理由にXとYの賃貸借契約を解除したとしてYに対し違約金等の支払いを求めた(24842号)
③転貸人Yの主張が棄却された

1.■購入後当事者間賃貸借契約は譲渡担保で所有権移転なし 東京地判平27年10月22日
概要
①原告が被告から本件建物を購入後、被告を賃借人として定期賃貸借契約を締結したが、被告が賃料を支払わなかったため、同契約を解除して本件建物の明渡しと未払賃料の支払い等を求めた
②本件売買契約の実質は譲渡担保契約であり賃貸借契約は成立していないことから、本件建物の所有権を喪失していないとの被告主張が否定された

以上