マンション関係裁判例集(第三十七歩)

環境関係訴訟///////////////////////

5.■管理組合が共用部分に駐輪場設置日照阻害訴訟 東京地判 平27年2月6日
概要
①マンションの1階2室を所有し学生寮として利用していた原告会社が、管理組合が共用部分に駐輪場を設置したことにより日照阻害等が生じたとして、その撤去と損害賠償を請求
②いずれも棄却された

4.■隣接地に建築するマンションによる日照阻害)損害賠償訴訟 最二小決平27年3月6日
概要
①分譲マンションの売主に、説明義務違反(隣接地に建築するマンションによる日照阻害)による損害賠償責任訴訟
②マンションが既に完成していることから、建築工事の差止めを求める部分については却下した1審(H25.6.6神戸地判)とH26.1.23大阪高判(控訴審)を維持し、上告を棄却・不受理とした

3.■目隠し設置等請求事件 平26年2月14日 東京地判
概要
①居住するビルの隣地に建築したマンションの窓から各居室を見通せるため、目隠しの設置と損害賠償を請求した
②一部却下し一部棄却した(民法235条1項(目隠し設置)に該当せず)
③目隠しの設置について内容不特定で却下
④住環境悪化の点ついては受忍限度を超えているとはいえないとして請求棄却

2.■日影規制と境界線 さいたま地判 平26年3月19日 
概要
①中高層建築物の日影規制につき、緩和措置を適用する解釈として、いわゆる閉鎖方式(敷地境界線をそのまま道路側に直交方向に延ばす方法)を採用し、発散方式(敷地境界線上の任意の点から放射状に任意の線を延ばす方法)に基づく建築確認を違法とする裁判例

1.■開発行為許可処分訴訟の原告適格 大阪高判 平26年3月20日
概要
①都市計画法29条に基づく開発行為許可処分及び同法35条の2に基づく開発行為許可処分の取消しを求めた事案で、原告らの原告適格を肯定した

マンション購入と瑕疵担保訴訟 土地関係//////////////////

3.■マンション敷地の賃借権譲渡承諾えられず売買契約解除 東京地判 平28年1月14日
概要
①マンションの売主と売買契約を締結した買主が、売主が敷地の賃貸人から賃借権譲渡の承諾を得られなかったから契約解除したことについて、真摯な努力義務を怠った旨主張して違約金等を求めた
②売主は求められるだけの行動をした結果、地主の承諾を得られなかったとして、原告の請求を棄却した

2.■マンション全体の借地権の瑕疵と説明義務 東京地判 平26年9月19日
概要
①被告から不動産会社の仲介で503号室を購入した原告が、契約上敷地全体に借地権が掲げられていたにも拘らず、実際は駐車場等を除くマンションの底地にすぎず、建替えができない瑕疵ある建物であるとして、説明義務違反等を理由とする損害賠償等を請求
②いずれも棄却された

1.■目的物の一部が他人の権利物の場合の売主の担保責任 東京地判 平27年3月13日
概要
①国有地に建った借地上のマンションの売買において、売買契約書等では、買主(原告)が取得する持分権は土地全体に及ぶと読取れる場合に、
②実際には購入した土地の駐車場等部分は、訴外Aの権利に属していたので、
③買主原告が売主(被告)に対して、目的物の一部が他人の権利に属している場合の売主の担保責任に基づく損害賠償請求等をしたが、棄却された

以上