マンション関係判例集(第三十三歩)

訴訟 判決関係///////////////////////////

10.■「一の建築物」該当性訴訟 東京地判 平28年2月12日
概要
①エキスパンションジョイントによる接続は、外観上の一体性が欠けること、物理的に応力を伝える連結方法が予定されていたのは地下2階のみであることから構造上の一体性も欠けること、機能上の一体性の程度は必ずしも高いものではないこと
②を理由に、「一の建築物」該当性を否定した

9.■団地認定処分取消請求事件 東京地判 平28年2月16日
概要
①Y市長(被告)がB団地管理組合に対し、建築基準法86条1項(一の敷地とみなすこと等による制限の緩和)に基づく一団地の認定がされた旨公告された区域内にあるB団地について、同86条の2の1項に基づく同一敷地内建築物以外の建築物の位置及び構造の認定処分をした
②近隣住民(原告ら)がY市の認定基準を満たさない違法なものであるなどと主張して取り消しを求めたが、棄却された

8.■不動産所得税還付不許可決定処分取消請求事件 東京地判 平26年11月20日
概要
①地方税法附則6条にいう「居住の用に供するために独立的に区画された部分が100以上ある共同住宅等」に該当するか否かは、
②1棟の共同住宅棟について100以上あるか否かにより判断すべきであると判示

7.■軽微な越境と判断された擁壁の撤去・築造訴訟 東京地判 平27年1月15日
概要
①軽微な越境と判断された擁壁の撤去・築造
②過剰な対応であり、専ら転売のための工事とされ、買主宅建業者の売主宅建業者への請求が棄却され

6.■準備書面の直送支出は訴訟費用に当たらない  最一小決 平26年11月27日
概要
①当事者が準備書面の直送をするためにした支出は、
②民事訴訟費用等に関する法律2条(当事者その他の者が負担すべき民事訴訟等の費用の範囲及び額)2号の規定は類推適用されないと判旨
③(直送するためにした支出が費用に当たるとすると、相手方当事者によって訴訟費用額の予測が困難となり相当といえない)

5.■準備書面直送費用は訴訟費用に当たらず 平26年4月7日 東京高決
概要
①準備書面の直送費用を訴訟費用に含めなかった訴訟費用額確定処分について原審(H26.2.21東京地決)の異議申立却下決定に対し抗告
②控訴審も、費用は訴訟費用に当たらないとした

4.■住所変更による債権譲渡通知の到達の効力訴訟 東京高判 平27年3月24日
概要
①債務者が住所変更を怠ったため、債権者からの通知が届かなかった場合には、到達したものとみなす旨の合意について、
②債権譲渡通知の到達の効力を否定した(上告あり)

3.■登記名義人でない所有者による競売手続き終了後の訴訟 東京地判 平27年6月16日
概要
①不動産競売手続においては、登記簿上不動産の所有者とされていない者が、真実の所有者であるとして、競売手続の終了後に、抵当権の実体上の無効を主張して買受人の所有権を争った
②民事執行法184条(代金の納付による不動産取得の効果)の適用により、同主張が認められなかった
※共有物分割等請求事件(甲事件)、抹消に代わる所有権移転登記手続き請求事件(乙事件)

2.■マンション建築設計図の創作性と著作権 知財高判 平27年5月25日 
概要
①本件マンション建築設計図の創作性は、具体的に表現された図面について極めて限定的な範囲で認められるにすぎず、
②その著作物性を肯定するとしても、デットコピーのような場合に限って、保護し得るものである

1.■担保不動産独立性なしで競売申立取り消し 平26年8月7日 神戸地裁豊岡支判
概要
①抵当権設定時には対象建物が建物としての独立性を有していなかったことが、担保不動産競売手続中に判明した場合
②民事執行法53条を類推適用して対象建物に対する競売手続を取り消した

以上