マンション関係判例集(第二十一歩)

対行政関係訴訟 //////////////////

2.■建築確認取り消し国家賠償訴訟 平26年2月4日 東京地判
概要
①H21.1.4東京高判で建築確認が取り消された後、新宿区と都に対し、国家賠償請求訴訟を提起した
②棄却された

1.■東日本大震災一部損壊への見直し取消訴訟 平26年8月6日  仙台高判
概要
①東日本大震災の被害判定を一方的な再調査で「大規模半壊」から「一部損壊」に見直され、固定資産税等の免除を受けられなくなったのは違法と行政処分の取り消しを訴訟
②提訴前に前置すべき審査請求をしていないなどとして却下した仙台地判を支持

 

行政がらみ訴訟 //////////////////
7.■道路位置指定取消処分の義務付け等請求事件 東京地判 平28年6月17日
概要
①当初は四棟の住宅のために道路位置指定を受けた道であったが、その後、区画及び用途の変更により新築のマンション敷地に取り込まれたにもかかわらず、道路位置指定は取り消されないまま長期間が経過した本件土地について、
②所有者Xが道路位置指定の取消処分の申請をしたところ、却下されたため、却下処分の取消し及び道路位置指定の取消処分の義務付けを求めた
③請求を認容した
④→H28.11.30東京高判で支持され控訴が棄却された

6.■生活保護停止決定取消請求控訴事件 東京高判 平28年3月16日
概要
①生活保護受給者が通院のための引っ越しに伴い戸建住宅を売却し、引越しのうえマンションを購入したところ、引越先でマンション売却を指示され、これに従わず生活保護停止処分とされた事案につき、春日部市の当該停止処分を違法と判断した原審のH27.10.28さいたま地判を支持し、控訴を棄却した

5■家売却とマンション購入で生活保護停止処分取り消し さいたま地判平27年10月28日
概要
①生活保護受給者が通院のための引っ越しに伴い戸建住宅を売却し、引越しのうえマンションを購入したところ、引越先でマンション売却を指示され、これに従わず生活保護停止処分とされた
②春日部市の当該停止処分を違法と判断した
③※控訴審(H28.3.16東京地判)も支持し控訴を棄却

4.■国立マンション訴訟の第6訴訟 東京高判 平27年12月22日
概要
①国立市がマンション事業主である民間企業に支払った損害賠償金等につき、当時の市長に対して市は求償権を有し、また、本件請求権の行使が権利濫用又は信義則違反に該当することはないと判示した
②→H28.12.13に上告棄却で確定した

3.■工事完了後の建築計画変更確認処分の取消し訴訟 東京地判 平27年11月24日
概要
①マンションの建築工事が完了したことを認めたうえで、建築計画変更確認処分の取消しを認める訴えの利益は消滅したものと解した

2.■耐震強度不足訴訟で建築確認した業者と市に訴訟 最三小決 平27年10月27日
概要
①分譲マンションの耐震強度不足が発覚し、区分所有者から全戸買取を余儀なくされた売主が、建築確認をした業者や静岡市に損害賠償を求めた
②控訴審で1審判決(H24.12.7静岡地判)を変更し、9.6億円の支払いを命じた
③控訴審判決(H26.5.15東京高判)に対する上告が棄却された

1.■マンション完成予定3か月前に建築確認の取消し訴訟 東京地決 平27年6月24日
概要
①都内で建設中のマンションに対し完成予定時期の約3か月前に安全条例4条及び都市計画法29条の違反を主張し建築確認の取消し訴訟を提起し、その約2週間後に執行停止を申し立てたが、却下された

 

別荘管理関係 //////////////////
6.■別荘管理契約と別荘所有者の死亡 東京高判 平28年1月18日
概要
①静岡県の別荘地(2500戸以上の区画)で、所有者と管理業者(施設内の道路やごみ置き場等を所有)が個別に結んだ別荘管理契約の有効性が争われた
②別荘所有者は個別に管理契約を解除することはできないとした原審を支持し、所有者の死亡で契約が当然に終了するものではないと判示した

5.■別荘管理委託契約解除後の別荘地管理費請求 東京高判 平28年1月19日
概要
①施設・用地(別荘地全体)の管理会社が、敷地内に建物を建築し所有している各分譲地所有者との間で締結した管理契約に基づき、所有者らに対し環境整備費(管理費)等の支払いを求めたが、契約の解除により支払いの義務はないと被告らが主張
②解除の意思表示は無効であると認定(管理契約は委任者である各分譲地所有者の死亡によって当然終了しないと判断)して、原告の請求を認容した1審のH26.4.16静岡地裁沼津地判を不服として、被告らが控訴した
③棄却された(管理委託契約解除後の別荘地管理費請求を認めた)
④※同一別荘地に関する事案であるH22.2.16東京高判とは反対の結論

4.■分譲地の管理組合による滞納自治会費の遅延利率 静岡地判 平27年11月27日
概要
①分譲地の住民による管理組合が、被告(住民)に対し未払自治会費を請求した
②遅延損害金の利率を年10%の約定利率とした原判決(三島簡判H27.6.18)を変更し、民法所定の年5%の割合としたが、
③浄化槽関係費のみ共益費に該当するとの被告(控訴人)主張は否定し、共同施設の管理費等も共益費に含まれると判断した
④→上告審のH28.9.15東京高判も支持し、棄却した

3.■分譲別荘地の管理費値上げ訴訟 東京地判 平26年12月18日
概要
①分譲別荘地の管理委託契約に基づく管理費の値上げをめぐる訴訟
②値上げが認められ、別荘地の所有者らによる管理費の不払い等と解除の効力が否定された

2.■別荘管理費訴訟 東京地判 平27年1月21日
概要
①山梨県の別荘地の管理を業務としている原告が、別荘地内に不動産を所有する被告らに対し、管理委託契約に基づき、管理費等の支払を求めた
②認容された(一部時効消滅)

1.■南箱根ダイヤランド管理費反訴請求事件 静岡地裁沼津支判平26年4月16日
概要
①分譲地(南箱根ダイヤランド)内の施設や用地を管理運営する反訴原告が、ダイヤランド内に不動産を有する反訴被告に対し、管理規約に基づき管理費を求めた
②一部認容、一部棄却した→控訴審のH28.1.19東京高判でも支持し棄却

(山形 民男)