マンションの安全と安心(第6歩)

■ドアのカギはどうすれば?

平成に入ってから平成14年(2002年)まで、日本の侵入盗認知件数は右上がりに増加しました。それ以降は毎年件数が減っています。その主な原因は何でしょうか?
鍵をかけていない無施錠のためとガラス破りによるものはそれほど劇的に変化していないのですが、減少の一番の要因は錠と鍵の改良が行われたことでしょう。
施錠されているのに侵入されるケースで一番多かった手口は、錠を壊さず専用の工具を用いて解錠する「ピッキング」と呼ばれる方法でした。主に戸建て住宅が被害に遭いました。
これに対して国内の鍵メーカーが改良を重ね、2002年頃にはピッキングに強い錠と鍵が広く普及するようになり、ピッキングが大幅に減りました。改良された錠のうち、代表的なのは鍵穴が水平で波型形状になっているものです。

共用部の廊下があるマンションの場合、犯罪者が体を隠すことができないのでピッキング被害には遭いにくいのですが、居住者が不在であることがあらかじめ分かっている場合は人気のない深夜にピッキングによって専有部に侵入されるリスクがあります。
2002年以前に建てられたマンションでは、最初に取り付けられたピッキングに弱い錠が今でもそのまま使われていることがあります。どういう錠が弱いのか、一概に言うことはできませんが、大雑把な言い方をすると、鍵穴が縦(上下方向)で、くの字型あるいは直線状で徳利型のものの中にはリスクの高い錠があります。
自宅の錠が安全かどうか心配な場合は、ネットで「危険な鍵」などのキーワードで検索すると確認できます。安全でないとわかったら、管理会社の専門家か近所の鍵屋さんに相談しましょう。(防犯設備士 Yahosan)