アメリカ便り(第二十一歩)

■UBERドライバーからの警告

過去20年間、米国内トップレベルで人口増加を続けているダラス近郊(1)ですが、それに伴ってインフラも目に見えて充実してきました。市内を走る電車も増え、駅周辺にはアパートやマンションもどんどん建築されています。飲食店街は新しいお店が次々とオープンし、連日賑わいを見せています。ダウンタウンや飲食店街は駐車場スペースが限られているため、UBERの車もコロナの終結とともに走る台数が増えてきたようです。そんな中、私もUBERを利用する機会がありました。

UBERは基本的にドライバーと乗客のマッチングサービス。キャッシュレスなため、金銭目当ての事件もなく、タクシーと違って料金や移動ルートも明確に出るので比較的に安心です。ドライバーと乗客のそれぞれがお互いの立場でレビューし合うことで良い緊張感が生まれてサービスの向上につながる良いシステムだと思います。ドライバーは印象を良くするために、水を提供したり、好きな音楽をかけてあげたり、退屈しないように適度に話し相手になったりしてくれます。日本ではあまり話しかけないで欲しいという乗客が多いのかもしれませんが、我々はドライバーとの会話を楽しむ派なのでそれもUBERを利用するときの楽しみの一つにもなっています。

今回のドライバーのケンさんは、カリフォルニア州オレンジカウンティの銀行で働いていましたが、3年前にダラス近郊に越してきたとのこと。その際に高層ビルのコンドミニアムを購入しないかと勧められましたが郊外に一軒家を購入したのだそうです。お子さんは高校生の女の子と男の子。今は、「週末空いている時間にUBERで小遣い稼ぎをしているんだ。」ということでちょっとインタビューさせてもらいました。

ー 何故、カリフォルニアからダラス近郊に来たんですか?ー

「理由は、カリフォルニアそのものだよ。」と彼。

「え?カリフォルニアが理由ってどういう事?」と考え込んでしまった私にこう続けてくれました。

「その質問って、不動産価格が高騰したからとか、物価が高いからという人が多いけど、あそこで生まれ育った自分にしてみればそんなことはあまり影響ないんだよ。あそこを出る理由にはならないってことさ。少なくとも僕にはね。理由はドラッグなんだよ。もう今となっては、ほとんど高校生の全員と言っていいほど普通に何かしらのドラッグをやってるよ。僕の上司は富裕層向けの不動産売買のブローカーもやっていて高級住宅も扱うので億単位の年収の人だったんだけど、それまで一度も経験のなかったドラッグを始めてからは毎日、というかいつも”ご機嫌”になっちゃってて。。。大きな額の仕事をしてるのにそんなことでいいんですかと問い詰めたこともあったけど、聞く耳持ってもらえなかったよ。」

ー カリフォルニアでドラッグ解禁になって何が最も変わったと感じますか?ー

「それは浮浪者だよ。相当増えたと思うよ。もう今ではロス郊外の高級住宅地でさえも浮浪者がうろつきだしてね。それで市の警察が取り締まったけどどうやったと思う?」

「うーん、シェルターに送ったとか?」

「うーん、最初はそれで良かったんだけど、どこもいっぱいになったらしく、それで隣町との境目まで連れてって野放しにしたのさ。結局、高級住宅街から綺麗な海は見えるけど、足元の海岸線には浮浪者のテントが沢山繰り広がってしまってね。あれを見たときに、もうここは終わったなと出る事を決心したんだよ。。。それに子供たちのためにもね。どうせ彼らも大学に行ったらドラッグと付き合わないといけなくなるだろうけど、少なくとも高校生でいる間は、ドラッグ漬けの学校にはいさせたくなかったからね。学生の頃タバコ吸った事あるでしょ?今学校では、マリファナはもちろん覚醒剤も。なんでも手に入る。やりたけりゃやっていいんだろうけど、親として自分の子供たちにはそういう環境はまだ早いと思ってね。その点、今住んでいるところはクリーンな学校だからね。」

ー ダラス近郊で一戸建ての家を購入された理由はなんですか?ー

「提示されたマンションは高層ビルの上の方でとても魅力的で子供たちも乗り気だったけど、バジェット以上の物件ばかりだったしね。結局、今年FRBの利上げ策があったから、あのとき無理してローン組まなくて本当に良かったね。ここに来て良かったと思う。今のところは満足してるよ。」

カリフォルニアでは、2018年から嗜好用マリファナが解禁になりました。それまでは医療用のみと限定されていましたが、ケンさん曰く、解禁になってから目に見えて浮浪者が増えたそうです。そんな中、中間選挙直前の10月にバイデン政府はそれまでに大麻所持で逮捕されていた人たちに恩赦を出しました。(2)  いったいどういう狙いがあったのでしょうか?大麻で捕まるような人たちの何人が投票に行くのでしょうか?

今回のアメリカ中間選挙によって現行の民主党政府への市民の評価が下され、下院を民主党側がとることができました。私的には良かったと思います。マスコミは、「共和党は思ったほど勝てなかった」、「民主党は頑張った」と口を揃えて言います。資本主義の世の中、マスコミも利益追求組織です。スポンサーには逆らえません。2年前の米大統領選挙不正についても一刻も早く正しいジャッジが出て、公表される事を祈りつつ、2年後の選挙に期待をしています。皆さんはいかがでしょうか。(米テキサス 谷 景太)

(1)
https://iowa.reaproject.org/graphs/line-chart/comparative_growth_indices/series~REAP_PI_CA1400/primary_fip~190049/secondary_fip~190000/parent_fip~0/linecode~100/image.png

(2)
https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/news/21413