避難生活に役立つカトー折り(第十四歩)

■咄嗟の出来事、そのとき貴方は?

読者からの投稿にカトー折りの利用方法について詳しく教えてほしいというのがありました。それを知ったときにこんな光景を思い出してしまったのですが、ちょっと嫌な光景です。
それは電車の中で起こりました。空いているときで私は座っていまして、前には座席のないところでして、男の人が立っており、手には青いビニール袋を持っておりました。中には買った本でも入っていたと思います。突然、その男性は気分が悪くなったようで険しい顔つきになりました。電車は次の駅に止まるまで我慢できないようでした。この人は嘔吐しそうだとわかった瞬間に、この人どうしたと思いますか?
青いビニール袋の中に顔を入れて、嘔吐し始めたのです。顔を上げて何もなかったように、また顔を入れて嘔吐しました。それで何もなかったようにすました顔で、次の駅で降りていきました。
実はそばに女の子がおりました。その子に買った上げた本かもしれませんが、本当に周りに一切迷惑を掛けずにその事態を収めたことに凄いなぁと思いました。もし青いビニール袋がなかったらどうしたのでしょう。まず袋が必要だとこの方は閃いたでしょう。ここで女の子の前で床に嘔吐する後の事態を想像すればまたあとで本を買えばよいだけです。
その判断と閃き、実行力を見たような気がしました。カトー折りはこういうときに紙を持っていたなら袋にしてしのげたかもしれませんが、青いビニール袋にはかないません。でも口をゆすぎたいときに駅にあるチラシでコップをカトー折りでササッと折って、洗面所の蛇口から水を注ぐのは便利でしょう。
どんな利用方法があるでしょうか?というメリットは、捨ててもよい新聞紙やチラシを今すぐ必要なコップやゴミ袋に変えられる知恵のことです。知恵の利用、応用を即座に求められるとき、カトー折りは折ってすぐにできる知恵であると覚えておけば、緊急で汚物を片付けるのに多いに役立ちます。マンションのベランダのゴミを新聞紙でかき集めて、新聞紙の袋に詰めるとかはいかがでしょう。狭いところではチリトリは上手く使えませんので、悪しからず。では、このへんでまた次回に。

(カトー折り 加藤 祐一)