ヨーロッパのマンション(第8歩)

第8歩 ドイツのマンション

ドイツの都市構造は、日本の一極集中型ではなく多極分散型であるため、市街地で大規模共同住宅やマンションを見かけることは稀である。
都市によっては、高さが制限されているので、高層団地は少ないのだが、旧東ドイツだった新連邦州は状況が異なっている。当時、国営企業や化学コンビナートが存在した町には、労働者のために、10階建て以上のプラッテンバウと称された高層団地が建設されていた。
しかし、東西ドイツが再統合された後、国営企業が資本主義経済に基づく経営が成り立たなく、大幅な人員削減が実施された。その結果、失業者が増え、多くの人が職を求めて旧西ドイツへ引越した。人の移動は、都市の過疎化を誘引し、それまでの共同住宅に空き家が目立つようになった。壁が崩壊して30年以上経った現在、空き家が目立った高層住宅は、解体され植樹されたり、10階を5階まで減築してファサードを新しくし、デザイン性を持たせて昔の簡易団地ではなく、新しい共同住宅の様相を見せている。特に目立つのは、高さ制限されていなかった当時のベルリン東地区(旧東ベルリン)で、高層階に住む人々は西ベルリンを眺望でき、テレビやラジオ電波が受信できたそうである(添付写真参照)。ちなみにベルリン西地区の大規模共同団地は郊外にいくつか見られる。